「気球」を題材にした映画・書籍・絵本のご紹介【13】

空高く舞い上がる気球は、人々の想像力を掻き立て、数々の芸術作品の題材となってきました。今回は、気球が重要な役割を果たす映画、小説、絵本をご紹介します。

気球を題材にした作品の魅力は、現実と空想の絶妙なバランスにあります。実在の冒険家たちの挑戦を描いた歴史的な物語から、想像力豊かなファンタジーまで、幅広いジャンルが存在します。大空を舞台に繰り広げられる物語は、私たちに自由と冒険への憧れを呼び起こし、日常から離れた特別な体験を提供してくれます。

それでは、気球が織りなす感動と冒険の世界へ、一緒に旅立ちましょう。

イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり

『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』は、1862年のロンドンを舞台に、
気象学者ジェームズと気球操縦士アメリアが、前人未到の高度11000メートルに挑む実話に基づいた冒険ドラマです。

ジェームズは気象予測の可能性を信じ、アメリアは夫を亡くした悲しみから立ち直るための決意の飛行でした。

二人は、学界からバカにされながらも、資金を集め、気球に乗り込みます。高度を上げるにつれて、想像を絶する自然の脅威に直面しますが、互いを支え合い、命がけで実験を続けます。正反対の性格から対立する2人が、極限状態の中で心を通わせていく様子が丁寧に描かれています。

また、科学への情熱、女性が社会で活躍する難しさ、そして人間が自然に対して抱く畏敬の念が描かれています。美しい映像と迫力ある飛行シーンも見どころです。

公式ホームページはこちら https://gaga.ne.jp/intothesky/

気象予報の未来を変えた二人の、驚愕と感動の実話です。


バルーン 奇蹟の脱出飛行

1979年、自由を求める2家族が、手作りの熱気球で東ドイツから西ドイツへの脱出を試みた実話を描いた感動ドラマです。

冷戦時代の東ドイツ。自由を求めるペーター・シュトレルツィクとギュンター・ヴェッツェルの2家族は、2年の歳月をかけて秘密裏に熱気球を製作します。材料の調達や設計は困難を極め、秘密警察の監視も厳しく、命がけの挑戦が続きます。

映画は、ギュンターの記録に基づき、バルーン製作の苦労や失敗、秘密警察の追跡など、実際の出来事を克明に描き出します。バルーンの飛行シーンは息をのむほど美しく、1970年代の東ドイツの雰囲気がリアルに再現されています。

スリリングな脱出劇はもちろん、冷戦時代の東西ドイツの緊張関係や、自由への渇望も丁寧に描かれており、歴史的な背景も理解できます。家族の絆や、自由を求める人々の勇気と決意が感動的に描かれ、観客を深く感動させます。

実話ならではの緊張感と、人間ドラマの深さが見事に融合した本作は、自由の尊さと人間の強さを教えてくれる、心に残る作品です。

カールじいさんの空飛ぶ家

「カールじいさんの空飛ぶ家」は、ピクサーが贈る感動のアニメーション作品です。
主人公のカールじいさんは、妻エリーとの思い出が詰まった家を気球で空へと飛ばし、南米への大冒険に出ます。

カールは当初、頑固で孤独な老人でしたが、少年スカウトのラッセルとの出会いを通じて、徐々に心を開いていきます。
ラッセルとの冒険の中で、カールは亡き妻への想いを胸に、夢に向かって前進する勇気を取り戻していきます。

ピクサーならではの美しいアニメーション表現は、カールの家が色とりどりの気球に吊られて大空を舞う姿を鮮やかに描き出します。
また、カールとラッセルの絆の深まりを丁寧に描くストーリー展開は、観る者の心を揺さぶる感動を呼びます。

夢を追いかける勇気と、かけがえのない絆の大切さを教えてくれる本作は、子供から大人まで幅広い世代に愛される名作となっています。

熱気球イカロス5号

『熱気球イカロス5号』は、梅棹エリオによる実話を基にした青春記録です。
1969年、日本で初めて熱気球の有人飛行を成功させた高校生たちの挑戦を描いています。著者自身が高校生の時に、仲間と共に「気球を作って空を飛ぶ」という夢に向かって奮闘する姿が描かれています。

学校の勉強に疑問を持ち、自由な発想で行動する若者たちの姿は、読者に勇気と希望を与えます。社会的意義よりも純粋な好奇心と情熱で突き動かされる若者たちの姿に、読者は自らの青春を重ね合わせることでしょう。

青春の情熱と冒険心が詰まった本作は、夢を追いかけることの大切さを教えてくれる一冊です。

気球旅行の五週間

『気球旅行の五週間』は、フランスの作家ジュール・ヴェルヌによる冒険小説で、1863年に発表されました。
この作品は、アフリカ大陸を舞台に、三人のイギリス人探検家が気球「ハンモック号」で未知の地を横断する壮大な冒険を描いています。

物語は、サミュエル・ファーガソン博士、その従者ジョー、友人のディック・ケネディの三人が、ザンジバル島から出発し、ヴィクトリア湖、チャド湖を経て、西アフリカのセネガルにあるグイナの滝まで気球で旅をするという設定です。彼らは、当時ほとんど未知だったアフリカ大陸の内部を探検しながら、様々な危険や困難に直面します。

当時の最新の科学技術や地理学的知識を巧みに取り入れながら、想像力豊かな冒険譚を展開しています。気球の操縦や気象条件への対応、燃料の管理など、技術的な側面にも細かく触れており、SF小説の先駆けとしての一面も見られます。同時に、未知の土地や文化との遭遇、原住民との交流、自然の驚異との対峙など、探検小説としての魅力も満載です。

登場人物たちの友情や勇気、知恵が試される様子も生き生きと描かれており、読者を飽きさせません。

本作は、ヴェルヌの代表作「驚異の旅」シリーズの起点となった作品で、出版後すぐに大成功を収め、各国で翻訳されました。科学への憧れと冒険心を掻き立てる本作は、今日でも多くの読者を魅了し続けている古典的名作です。

80日間世界一周

「80日間世界一周」は、ジュール・ヴェルヌの冒険小説を基にした映画作品です。
1872年のロンドンを舞台に、英国紳士フィリアス・フォッグが80日間で世界一周を成し遂げようと挑戦する物語です。

広大な景色を見下ろしながらのスリリングな飛行シーンは、冒険とロマンに溢れた名場面。気球が嵐に巻き込まれるハラハラドキドキのシーンや、上空からの美しい景色を堪能するシーンなど見どころ満載です。

大空を飛ぶ気球から見る世界の絶景は、旅の醍醐味を存分に味わえる、まさに冒険小説の醍醐味を凝縮した映画の名シーンと言えるでしょう。

オズの魔法使い

『オズの魔法使い』は、L・フランク・ボームによる1900年出版の児童文学作品です。

主人公ドロシーが竜巻に巻き込まれ、魔法の国オズに到着するところから物語が始まります。
オズの魔法使いに会うため、カカシ、ブリキの木こり、臆病なライオンと共に冒険の旅に出ます。

ドロシーは、竜巻に巻き込まれた家ごとオズの国へ飛ばされますが、その際に気球のような形の家が大空を舞うシーンが印象的です。物語の中盤では、ドロシーがオズの魔法使いに会うために、仲間たちと一緒に気球に乗って冒険の旅に出ます。緑の街を飛び立った気球は、広大なオズの国の上空を優雅に飛行し、ドロシーたちを乗せて次なる目的地へと運んでいきます。

ラストシーンでは、オズの魔法使いが故郷へ帰るために気球に乗り込みますが、ドロシーが乗り遅れてしまいます。しかし、彼女にはすでに「自分の力で夢を叶える方法」があることに気づかされ、感動的な別れのシーンとなります。大空へ飛び立つ気球は、夢への挑戦と冒険の象徴であり、人生において大切なことを教えてくれる作品です。

この作品は、多くの映画、ミュージカルにもなり、世界中で愛され続けている古典的名作です。

気球映画の見どころと注目ポイント

気球を題材にした映画の魅力は、壮大な空の景色と人間ドラマの融合にあります。

今回、紹介した映画に共通するのは、「気球」が単なる乗り物ではなく、夢や自由、挑戦の象徴として描かれている点です。

空高く舞い上がる気球は、人々の願いや希望を乗せて大空へと飛び立ちます。そして、地上では味わえない視点から世界を見ることで、登場人物たちの心境や価値観が変化していく様子も注目ポイントです。

実際に気球に乗ってみませんか?

気球映画を楽しんだ後は、実際に気球に乗ってみませんか?

映画で感じた感動や興奮を、自らの体験として味わうことができます。全国各地で熱気球フライトが体験できるプランがあり、係留フライトやフリーフライトなど、様々な選択肢があります。

大空に浮かぶ気球から見る景色は、まさに映画のワンシーンのよう。静かに流れる風に身を任せ、非日常的な体験を満喫できること間違いなしです。
映画で感じた気球の魅力を、実際の体験を通してより深く味わってみてはいかがでしょうか。

きっと忘れられない思い出になるはずです。

熱気球フリーフライトで
あなたのスカイレジャーがはじまる!